2018年7月20日(金)公開の映画『未来のミライ』の感想・レビュー記事です。多少ネタバレもあるかもなので閲覧注意です。
7/25(水)~9/17(月・祝)の期間、「未来のミライ展~時を越える細田守の世界 『時をかける少女』『サマーウォーズ『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』」を開催します。
— Gallery AaMo (@Gallery_AaMo) 2018年4月25日
「#未来のミライ」の不思議な世界にタイムリープ!過去作品の展示も!
#ミライ展
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1. スキかスキくないかという話
花丸総研は細田守作品といえばやはり『サマーウォーズ』が1番好きですね。次いで『時をかける少女』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』が続く感じ。
それでは『未来のミライ』はどうだったかというと、花丸総研にはあまり刺さらなかったなあという印象でした。あとこれ本編始まる前にエヴァの予告映像とか流れちゃうのもよくないね。正直エヴァの予告のがワクワクしたもんね。
エヴァもよく見てみるとくるくるまわってるだけなんだけど、この22秒の映像に本編100分が持っていかれるのはさすがにちょっとね。
ちなみに作品としては別に可もなく不可もなくという感じだけど、事前プロモーションのやり方も含めてちょっとついてないような印象は受けます。
2. 細田守による俺のかわいいくんちゃんを見てくれホームドラマ
繰り返しになりますが、花丸総研にはあまり合わなかったなあという印象でした。作品としては見どころも十分ありました。
たとえばアニメーションとしての完成度はピカイチ。作画や動きや演出も含めてこれだけでも見る価値は十分ある。特に終盤の15分はわりと本気で怖かったしよかった。
あとは主題歌である山下達郎氏による「ミライのテーマ」これも名曲。
あとはキャストの皆さん演技も悪くなかったと思う。4歳であるくんちゃんを見事に演じきった上白石萌歌さんも頑張ってたと思う。
大人から見れば子供のロジックは理解しきれないところもあるし、そこにいらだちを覚えてしまうのも子育ての宿命だと思う。なのでくんちゃんにイライラを覚えるのは製作陣の狙い通りであるのだろうなと思う。その点もいいと思う。
しかしながら本編では終始「かわいいくんちゃんを見てくれ!」と主張するかの如く映像と、「くんちゃんうぜえなあ」と思う観客(=花丸総研)の両者が平行線を引いているいるような構図であると感じた。
この物語は「今まで親の愛情を一身に受けてきたくんちゃんが、突如現れた異邦人(=ミライちゃん)によって両親の愛情をかすめ取られ、その反発心から両親やミライちゃんを拒否してしまう(=スキくない)が、それを受け入れる」までのお話なのだと花丸総研は感じた。
あとは「自分の生は家族や一族から綿々と受け継いできたものであり、そこに存在することそれ自体が奇跡」というテーマも含まれているとも花丸総研は思った。
それはわかるんだけど、中盤の中だるみ感やくんちゃんの描写は少しばかり見るのが辛かったし、終盤の駆け足感あるラストも疑問符はついた。ラストそのものはよかったんだけど、その展開自体は冒頭20分近く見れば予想がつくし、最後だけ慌てて冒険しました感がぬぐえなかった。
3. 映画ではなくアルバムをめくるような楽しみ方が適切
自分でもここまで批判的になるのが驚きだったのが、この原因を分析してみると、花丸総研は「細田守の冒険ファンタジー的な物語に期待している」部分が大きかったらしい。
でも『未来のミライ』については子供のなにげない成長を喜べる人が見るべき作品であって、いうなれば子供の成長アルバムをめくるような楽しみ方をするべきなんだよね。アルバムだからそこにストーリーとか冒険とかがしっかりあるというわけではないし。
映画そのものも、「時をかける少女」「サマーウォーズ」細田守によるこの夏最大の感動作!みたいな売り文句だったから、そっちらへんを期待していた自分がいたらしい。
正直本作は劇場版ではなく、40分尺くらいのOVAとかだったらまた印象がガラッと変わっていたと思うし、たぶん絶賛していた。花丸総研は人生経験が足りないので、他人様のホームビデオを見てもさほど感動できなかったので、そこは純粋に申し訳ないなあとは思った。
ケモナー・ショタ好きにはおすすめの映画だと思います。