花丸な日々

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劇場3部作『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』感想

2018年2月10日(土)より公開の劇場3部作『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』の感想・レビュー記事です。

記事の性質上、劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』本編やTVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』シリーズのネタバレが含まれています。閲覧注意です。

【更新履歴表】

*2018年2月9日・初投稿

*2018年2月11日・第1稿完了

1. 前回のコードギアス

2018年2月10日(土)公開の『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』は劇場3部作の2部作目になります。「コードギアス」シリーズや第1部の『コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道』については下記の記事をご覧ください。

hnml.hateblo.jp

2. 映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』の内容

ここでは映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』の内容について紹介します。

2-1. 劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』のアニメ話数範囲

今回の劇場版はTVアニメ『コードギアス反逆のルルーシュ』1期の18話から2期16話に相当する内容でした。

1部作の映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道』ではルルーシュにフォーカスして、TVアニメ1期の内容(1期1話から17話)をわかりやすくまとめていました。

対して本作ではストーリーを大幅にカバーするためにかなりのエピソードのカット・展開の圧縮が見受けられました。一方でスザク目線での新規カットが追加され、TVアニメ1期から2期に至るまでの展開を補完していました。今回は初見向けというよりもTVシリーズを既に見ているファン向け映画という印象ですね。大まかな内容は次の通りです。

  • OPアリプロ『勇侠青春謳』
  • スザクがユーフェミア(以下、ユフィ)の騎士に就任
  • ゼロ(ルルーシュ)によるスザクの説得「生きろ!」のギアスをかける
  • アッシュフォード学園の学園祭(巨大ピザ作り・ユフィとナナリーの邂逅、「経済特区日本」など)
  • ユフィの日本人虐殺(ゼロによる「合衆国日本」)
  • 黒の騎士団によるトウキョウ租界侵攻(ゼロvsコーネリア)
  • 神根島でのゼロvsスザク
  • スザク目線でのゼロの復活(新規カット)(TVアニメ1期25話から2期までの補完)
  • ナイト・オブ・ラウンズのアーニャ・ジノの2人がアッシュフォード学園に転校・生徒会入り
  • ルルーシュがギアス嚮団を殲滅
  • ゼロ・黒の騎士団VSジークフリート(in V.V.)
  • シャルルVSルルーシュ@思考エレベーター
  • ヴィレッタが扇を発砲
  • スザクがアッシュフォード学園に:機密情報局がルルーシュのギアスによって陥落していることが発覚
  • ニーナがフレイヤを開発成功
  • C.C.の記憶がなくなる
  • 超合衆国憲章批准式
  • ルルーシュのスザクへの電話による懇願「ナナリーを助けてくれ!」

2-2. TVアニメ視聴者のためのファン向け補完映画

基本的にはストーリーはTVアニメシリーズの内容を踏襲しており、場面によっては新規カットや台詞回しが改変されているようです。しかし大まかな展開はTVシリーズとほぼ同じです。簡単ではありますが、TVシリーズ版との主な比較ポイントを抜き出してみました。

主な改変パートは次の通り。赤字部分が劇場版の新規追加パート青字部分がTVアニメ版の内容になります。緑字は劇場版でカットされたTVアニメのエピソードです。なおTVシリーズと同じ展開・内容のものは通常黒字で書いてあります。

  • スザク目線でのゼロの復活(新規カット)
  • 扇がヴィレッタに撃たれた件はディートハルトがゼロに伝えず部下がゼロに報告するもスルーされる
  • 無人島でのユーフェミア・ルルーシュ、スザク・カレンの4人の邂逅
  • フクオカ基地での戦い(スザク・ゼロとの共闘)
  • バベルタワーの攻防 ゼロによるカラレス総督の殺害
  • 中華連邦総領事館での戦闘(「合衆国日本の再建」)
  • ルルーシュによるロロの懐柔
  • スザクがアッシュフォード学園に復学
  • スザクの策略・ルルーシュとナナリーの電話
  • 神楽耶と天子さま・天子さま「せっかくお友達になれたのに…」
  • 太平洋奇襲作戦・黒の騎士団vsナイト・オブ・ラウンズ空戦
  • ナナリー・ブリタニアがエリア11の総督就任「特区日本の再建」
  • ルルーシュ挫折回・カレン「今後こそ完ぺきに騙しきってみなさいよ!」
  • トウキョウ湾の攻防・ゼロ「特区日本に黒の騎士団も参加する」
  • 超合衆国日本の建国宣言
  • 経済特区日本から100万人のゼロの国外追放
  • ゼロによる天子略奪
  • 神虎・中華連邦軍VSゼロ・黒の騎士団
  • 天帝八十八陵籠城戦
  • 卒業イベント・キューピットの日←ここちょっと記憶があやふやです
  • リヴァルが失恋コンテスト(?)でミレイ生徒会長からトロフィーをもらう
  • ナナリーとカレンの邂逅
  • ミレイ・お天気お姉さんに就任
  • シャーリー・ギアスキャンセラーによって記憶を取り戻す
  • ルルーシュVSオレンジくん(のちにオレンジくんことジェレミア卿がゼロの仲間に)
  • ロロがシャーリーを殺害・ルルーシュ「死ぬなシャーリー!」
  • ルルーシュがギアス嚮団を殲滅
  • ゼロ・黒の騎士団VSジークフリート(in V.V.)
  • スザクがカレンにリフレイン
  • ルキアーノ・ブラッドリー卿の出番

思い出せる範囲で書きましたが、全部はカバーできていません。足りない個所などについて、よろしければブログのコメント欄から教えてください。

 

3. 映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』の感想

ここからは映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』の感想を紹介します。

3-1. 2時間以上に渡るギアスアワーの至福

今回の劇場版も2時間以上に渡る本編でその情報量はすさまじかったです。

上記の谷口悟朗監督と大河内一楼氏のコメントがすべてを言い表している、そんな劇場版だと思いました。第1部作目がルルーシュ個人を中心に据え置いた物語とすれば、今回は各キャラクターの群像劇要素が強かったといえるでしょう。

またスザク目線で、TVアニメ1期25話と2期1話の間のエピソードを新作カットで補完していた点は特によかったですね。TVアニメ2期ではゼロことルルーシュが復活し、黒の騎士団として活躍しますが、スザクから見れば「ルルーシュは記憶を取り戻していないにもかかわらず、ゼロが復活した→このゼロと以前のゼロは同一人物なのか?」という疑念を持つ形となりました。この構図からの見せ方は非常に巧みでした。

ただ2時間で情報を圧縮している分、TVアニメシリーズを見ていない人には各キャラクターの動きが把握できるのかは疑問です。後述しますが、シャーリーについてはTVアニメシリーズとは大きく描かれ方が変わっています。

3-2. 挿入歌・主題歌もよし!

映画『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』ではOPがTVアニメシリーズのEDだったALI PROJECT『勇侠青春謳』となっています。新曲としては挿入歌で相坂優歌さんの「今はここに」、主題歌は藤原さくらさんの「The Moon」となっており、コードギアスシリーズに新しい風を吹き込みつつも、世界観を損なわない楽曲に仕上がっていると思います。

www.animatetimes.com

 

3-3. ファン向け映画としてはおすすめ 

今回は第1部作目の映画よりも新規カットが増えているということで、非常に楽しめました。特に印象に残っているのはスザクのカットですが、他にも多々あったのかもしれません。筆者は2月10日に映画を見た後、その夜からTVシリーズである『コードギアス 反逆のルルーシュ R2 』を見直していました(するとなぜか2期の最終話まで見て深夜に泣いてる…)。

2018年に再びコードギアスの世界観に浸れることは喜ばしいことですね。強いて文句をつけるとすれば、「このエピソードをカットするとこのエピソードの説得力が失われるんだよな~」とかそういう面倒なオタクの感想を抱いたことくらいですかね。

4. 劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』補足説明

自分でも整理がてら補説の文章を載せておきます。思いついた順に追記していきます。

4-1. シャーリーの扱いについて

劇場版1部作目ではシャーリーのギアスにまつわるエピソードが全カットされ、「ルルーシュのストーカー」のようなキャラに成り下がっていました。一方で2部作目となる本劇場版ではシャーリーがジェレミア卿のギアスキャンセラーによって記憶を取り戻す描写がありました。つまりマオをはじめとするエピソードは描かれていないだけで存在するといえる可能性があります。

なおTVアニメシリーズでは、ゼロの正体に近づいたヴィレッタを発砲したシャーリーでしたが、劇場版ではヴィレッタを発砲したのはディートハルトに改変されています。2部作目でもディートハルトが新たに役割を担う描写が見受けられ、これがどのように3部作目に影響するのかは不明です。

ちなみに補足するとルルーシュがロロにキレて「ボロ雑巾のように使いつぶしてやる!」と言っていたのは、大事な妹に成り代わったからという理由と、ロロがルルーシュの秘密を知ったシャーリーを殺害したことを踏まえての台詞です。本劇場版では後半の動機が失われているのでちょっと唐突感があります。見方を変えると本劇場版ではシャーリーが死んでいません←ハッピーエンドルートなのか(?)

4-2. ナナリーが握る手と「嘘」

本劇場版ではスザクが「ナナリーには嘘はつかないよ」といい、ナナリーがスザクの手を握ろうとするもスザクが引っ込め、「スザクさんとお兄様と同じなのですね…」といわれるシーンがあります。

こちらはTVアニメシリーズでは同一話数の中で、ナナリーが側近の嘘を手を握って嘘を見破るシーンがあります。つまり同一話数の中でも伏線があり(2期TURN 15『C の 世界』より)、またのちの伏線にもなります。たぶん3部作目でも出てくると思うのですが、意外と大事なので覚えておいてという感じですかね。

4-3. C.C.のギアスと記憶喪失

本劇場版ではC.C.が記憶を失う場面があります。一応それまでの流れとして、かつて奴隷であり後にC.C.と呼ばれるようになる少女は契約を交わしギアスを手に入れる(C.C.のギアスは「誰かに愛されること」)。そしてギアスを一定以上開放したものを身代わりにすることで、契約者は永遠の命から逃れられる。シャルル皇帝との接近でC.C.はギアスを手に入れた後の記憶を失ってしまうという流れですね。

個人的にはルルーシュがピザをぶちまけてC.C.を怪我させてしまったときの「それが友だちだ」といった台詞が好きだったのでカットはちょい残念でしたね。TVアニメではその友達繋がりでルルーシュはスザクに頼んで「ナナリーを助けてくれ」と懇願するわけです。

4-4. クズ描写が若干マイルドに

そういえばゼロと黒の騎士団がトウキョウ租界に侵攻した際、ルルーシュの「前線なんか知るか!ナナリーどこだ!蓬莱島行くぞ!」みたいな、黒の騎士団側からすれば身勝手極まりないクズシーンがあるのですが、そこカットされて若干マイルドになってましたね。それでもあれだけスザクにいろいろしでかして、「ナナリーを助けてくれ」と頼むのでくずっぷりは十分伝わるかとは思うのですが。

あとスザクが捕虜となったカレンにリフレインを打とうとする最低男シーンがあるのですが、そこもカットされたのは悲しかったですね。1部作目でもカレンの母親とリフレインのエピソードはカットされていたので当然といえばそのなのですが。

5. 総括

いろいろ書きましたが、要約するとファン向け映画としては高得点、めっちゃ楽しかったという感じです。

5-1. 劇場版3部作目『コードギアス 反逆のルルーシュ III 皇道』が2018年5月に公開予定

そして劇場3部作目となる最後は2018年5月公開予定ということで、早くも続編が楽しみですね~。下記のツイートによると、打ち上げもやったとのことなのでアフレコなどはすでに終了しているのかもしれませんね。

5-2. 『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』入場者特典

公開日である2月10日の入場者特典はバトルリンクカードと生コマフィルムでした。

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